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2012.04.25食事療法

医療相談21 腎機能が弱い=カリウム制限?

Q)74歳の男性です。血液検査にて腎機能が弱いと言われました。尿素窒素 24 mg/dL、クレアチン1.6 mg/dLの状態です。カロリー、食塩を制限した食事療法を続けていますが、現在の腎機能の場合、カリウム制限は必須でしょうか?

A)質問にお答えしたいと思います。

現在のご年齢(74才)、血清クレアチニン値 1.6 mg/dL, 男性、といった項目から推算糸球体ろ過量(どのくらい腎機能が保たれているかの指標)を計算すると 33.7 ml/min/1.73m2 という数値になります。

 

腎機能がよい人では、推算糸球体ろ過量をおおよそ100 ml/min/1.73m2前後なので、現在の腎機能は、若い頃(腎機能が正常であったと思われる頃)

おおよそ30-35%程度と思ってもらえればよいと思います。

残りの70%近くの腎機能は、おそらく長い年月の間に失われてしまった可能性が高いのではないかと思います。

 

慢性腎臓病を進行度に応じて5段階に分けるとstage 3という真ん中の障害度(腎機能障害として中等度。将来的にさらに腎機能障害が進行し腎不全症状が出現する可能性があり、透析が必要になる可能性が否定できない障害度)になります。

 

この段階になっても、ご自分の自覚症状はあまり出てこない人が多いですが、血液検査をすると色々な体液バランスが崩れてきやすくなる段階になります。

 

この段階では、尿中に老廃物や水分やカリウムを排泄しにくくなるため、それらが体内に蓄積しやすくなってきます。

 

口から体内に入ったカリウムが、尿にしっかり排泄されればカリウム値は上がりも下がりもしないのですが、尿への排泄が不十分になると徐々に血中にたまっていってしまうのです。

 

患者さんによって、カリウムの経口摂取量が異なりますし、また尿への排泄能力の保たれ方にも個人差があるので、カリウム値が比較的保たれている方もいらっしゃるし、かなりの高値になる患者さんもいます。

 

今までのカリウム値がどうであったかわかりませんが、今までに血液検査でカリウム値が高いと言われていたり、カリウム吸着剤を内服してカリウム値をなんとか保たたせているような場合には、やはり腎機能に見合った経口カリウム制限(食事療法)が必要になってくると思います。

 

カリウムを下げる薬も使わなくても、血清カリウム値が安定しているという場合には、極端な食事(野菜や果物を必要以上に過剰摂取する)をしないように注意すれば、まだそんなに気にしなくてもよいのではないか、という判断になります。

(ただし腎機能がさらに悪化すれば、カリウムバランスが取れにくくなるので、やっぱりカリウム制限が必要となる場合もあります)。

 

経験的には、この段階の腎機能でもカリウム摂取について十分に気をつけなければいけない、と指導することが多いように思います。

 

カリウム値は5(単位はmEq/L)を超えない方が良いと思ってもらえればよいと思います。

 

ご自分のカリウム値がどの程度なのかは主治医に聞いてみて下さい。

 

以上、ご参考頂ければ幸いです。

 

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