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2009.07.01相談室

医療相談12

Q)
20歳の女性です。
数年前から検尿異常(顕微的血尿:試験紙法で尿潜血反応2+、蛋白尿+)が指摘されているため、慢性腎炎の存在が疑われており、腎生検を薦められています。
腎生検では、たくさんある糸球体の一部だけを採取することになると思います。
そこで質問ですが、一部の糸球体の状態を観察するだけで本当に診断が可能なのでしょうか?
正常の糸球体をたまたま採取した場合には、診断にならないのではないでしょうか?

A)
主治医のご指摘のように、数年来検尿異常が持続しているため、慢性糸球体腎炎症候群の可能性が考えられます。
慢性糸球体腎炎症候群の中で最も多いのは、IgA腎症です。
IgA腎症の場合、基本的にはどの糸球体にもIgAという蛋白質が含まれる免疫複合体の沈着を認めることが多いので、腎生検により、診断が確定される可能性が高いと思われます。

ご心配のように、腎炎の種類によっては、極めて一部の糸球体にしか変化が認められないようなタイプもあり(巣状糸球体硬化症が代表的なものです)、その場合は、腎生検をしても診断がつかないこともあります。
また、糸球体病変は、糸球体毎にその程度には差があるので、一見正常に近い糸球体も含まれてくる可能性はあります。

一般的に、診断精度を上げ腎臓の全体像を把握するには、20個以上糸球体を採取する必要があるとされています。
その程度採取できれば、診断の精度はかなり高まると思います。

腎生検は診断確定に極めて有用な検査でありますので、ご不明な点や、ご心配な点など、よく主治医と相談してから施行についてご検討下さい。

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