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2009.12.04相談室

医療相談14

Q) ギッテルマン症候群ついて教えて下さい。

先日、ギッテルマン症候群と診断されました。
症状としては、痙攣、こむら返り、胸痛などです。
血液検査でカリウム値が低いため、カリウム補充のお薬でカリウムは1.8から3.0mEq/Lまで上がりましたが、症状の改善はありません。
ギッテルマン症候群について調べてみましたが、よく分かりません。
どのような病気なのでしょうか?

A) ギッテルマン症候群について、一般的な説明をしたいと思います。

尿が作られるには、

糸球体という毛細血管の塊をフルイのようにして尿の元になる原尿が血液から濾過される 

②糸球体から濾過された原尿は尿細管という管のなかを通る 

原尿が尿細管を通過する過程で体内に必要な成分が再吸収され、逆に不要なものは血液から分泌される

といった過程が必要となります。

尿細管で再吸収される物質は色々ありますが、塩分・カリウム・カルシウム・マグネシウムなどのミネラル成分もその代表的なものです。

ギッテルマン症候群とは、尿細管におけるミネラルの再吸収障害により起こります。

その原因は、尿細管に発現しているミネラルの再吸収に必要な蛋白がうまく機能しないからです。 

ギッテルマン症候群で異常を来たしている蛋白は、"サイアザイド感受性Na-Cl輸送体(NCCT)" と呼ばれています。

その原因の多くは、先天的異常であり遺伝的なものであるため、完治は難しく症状がある場合は治療継続が必要と思われます。先天異常であるかどうかの最終的な確定診断は、遺伝子診断になるので、確定診断を希望される場合は主治医にご相談下さい。

先天異常以外のケースとしては、何らかの原因によりNCCTの機能が阻害される場合、例えばサイアザイド系利尿剤を慢性的に乱用しているような場合には、同じようなミネラル異常が起きる場合もあります。
NCCTの機能異常を起こすような外的な原因がある場合は、それらを取り除けば(利尿剤であれば内服中止)、症状はよくなる可能性があります。

ギッテルマン症候群は、色々なミネラル成分に影響を与えますが、この病気に特徴的なミネラル異常は、低カリウム血症に加えて低マグネシウム血症が存在することです。
その他にも、代謝性アルカローシス(体液がアルカリ性になる)や尿中カルシウム排泄の低下が認められます。

NCCTの機能異常により、マグネシウムの再吸収が抑制され低マグネシウム血症を引き起こし、その結果カリウムも低下していきます。

症状の主体は、低マグネシウム血症によるテタニー症状です。

自覚されている痙攣やこむら返り、胸痛などは、この症状かもしれません。

治療としては、喪失してしまうミネラルの補充であり、それらはいわゆる対症療法です。

マグネシウム製剤(塩化マグネシウム MgCl2;ニガリの主成分です)の内服により、低Mg血症が改善すると低カリウム血症も改善することが多いと言われています。

そうなるとテタニー症状も軽減する可能性があります

ギッテルマン症候群のカリウム異常は、マグネシウムの再吸収障害により起きているので、大本の異常であるマグネシウム異常を是正するのが理にかなった方法と思われます。

似たような病気にバーター症候群というのがあります。
これも尿細管のミネラル分再吸収障害を起こす病気ですが、障害されているミネラル輸送体の種類が異なっています。

これらはカリウム再吸収をつかさどる輸送体なので、マグネシウム異常は起こしません。この場合は、治療としては、カリウムの補充になります。

ギッテルマン症候群と診断されたとのことなので、おそらくマグネシウム異常(低マグネシウム血症や尿中マグネシウム増加)が指摘されているのだと思います。

カリウム補充だけではマグネシウム異常が是正できていない可能性がありますので、カリウムだけでなく血中のマグネシウム値が改善しているか確認してもらえばよいと思います。

色々な症状も、まずは電解質バランスを是正することで変化する可能性があると思います。

治療の継続をお勧めいたします。

ご参考頂ければ幸いです。

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