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2015.04.20相談室

医療相談30 片腎による腎機能低下への対策は・・・?

Q)70才の男性です。約2年半前に尿路系腫瘍のため、左の腎臓と尿管の全摘出術を受けました。
術前は腎機能は正常でしたが、現在は腎機能は43%程度と言われています。

尿蛋白はありません。

腎機能が低下しているのでとても心配です。
腎機能低下への対処として食事制限や生活習慣等の改善は必要でしょうか?

A)ご質問にお答えしたいと思います。

腎機能低下の原因としては、左の腎尿管を摘出しているとのことですので、右腎しか残っていない片腎状態という状況かと思います。

腎機能は糸球体ろ過量で表されますが、片方の腎臓の糸球体ろ過量はおおよそ40-50 ml/min/1.73m2 程度であり、両腎合わせて90-100 ml/min/1.73m2というのが、おおよそ正常の数値になります。

腎機能の半分が左腎摘出によって失われているので、腎機能全体としては半分程度に低下してしまうのは仕方がないと思います。

右腎の推算糸球体ろ過量が43ml/min/1.73m2という数字であるとすると右腎の腎機能としては比較的保たれている状態ではないかと推察します。

残っている腎の腎機能が比較的正常であっても、腎臓に負担がかかると尿蛋白が排泄されますが、それもないとのことなので、現時点では右腎への負担は軽度である可能性があります。

食事療法や生活習慣の必要性としては、右腎に今後も負担をかけない必要性があるので、極端な対策は不要と思いますが(極端な蛋白制限や安静加療など)、いわゆる健康的な生活は心がけてもらった方が良いと思います。
これは腎機能が正常の人であっても心がけた方がよい内容です。

具体的には

①禁煙

②適度な運動

③塩分制限(高血圧があれば必須です。可能であれば6g/日程度)。

④肥満があれば肥満対策(適正なカロリー量)。

⑤感染症予防(うがい、手洗いなど)

⑥高血圧、高脂血症、高尿酸血症など腎機能増悪因子がある場合には、それらに対する適切な薬物治療の継続

などになると思います。

年齢も高めなので、極端な蛋白制限は低栄養を助長する可能性があるので、あまり無理しなくてよいと思います。

患者さん、個々の状態により、食事療法や生活習慣については注意点が異なる可能性がありますので、ご不明な点がある場合には、担当主治医に聞いて頂ければと思います。

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