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2011.07.01ニュース

JKW 2011

今年はとても暑かった6月だったようです。

そんな中、とても熱気にあふれる学会が開催されました。

我々腎臓内科にとって、国内最大級の学会であるJAPAN KIDNEY WEEK 2011です。

日本腎臓学会と日本透析医学会が合同で行う学会なので、学会日程も通常の学会よりは長く、今年は6月15日から19日に至る5日間にわたり、横浜のパシフィコ横浜で開催されました。

当科からも4題の学会発表を行いました。

高橋医師は "当院の非ネフローゼ一次性膜性腎症患者13例の長期予後" という演題名で口頭発表を行いました。

JKW-高橋.jpg非ネフローゼで発症した膜性腎症患者さんの、その後についての調査ですが、将来的にネフローゼに至る症例も認められ、厳重な経過観察が必要という内容でした。

多くの活発な意見が飛び交い、我々にとっても大変勉強になる内容でした。

 

また、戸田医師は 

"当院において膜性増殖性糸球体腎炎の組織像を示した17症例の臨床的検討" という演題名で膜性増殖性糸球体腎炎患者さんの腎生検病理像と腎予後因子に関する解析についてのポスター発表を行いました。

JKW-戸田.jpg

膜性増殖性腎炎は、罹患患者数も比較的少ないため、貴重な症例群の解析結果に多くの来場者は興味を持ったようです。来場者から、いくつもの質問があり、その関心の高さがうかがえました。

 

橋本医師は、昨年までの大学院生活の集大成である基礎研究についての発表を行いました。

演題名は"PPARα活性化によるThy1腎炎の組織障害軽減効果" です。

PPARαのアゴニストであるフィブラート製剤を投与すると、代表的な腎炎モデルであるラットThy1腎炎において病理学的に改善効果が認められた、という内容です。

JKW-橋本.jpg

信大腎臓内科では、核内転写調節因子であるPPARαに関する継続的な研究を行っており、その臨床応用に向けての大事な動物実験結果です。

今後のPPARαを利用した腎臓病治療の可能性を強く示唆する発表でした。

 

最後に、現在長野市民病院で勤務している竹前医師が

"血漿交換療法(PE)を施行した血栓性微小血管症(TMA)の予後予測" という演題名で口頭発表を行いました。

血栓性微小血管症の有効な治療として血漿交換療法があるのですが、症例によって効く症例もあれば効かない症例もある複雑な疾患群です。

なんとか、それらを区別できないかという観点で解析したものです。

数回の血漿交換の治療反応性によって個々の患者さんの予後を予測できるのではないか、という提言を行いました。

JKW-竹前.jpg

今後の診療に役立つ貴重な発表だったと思います。

 

今回の学会には、発表者以外にも、現在腎臓内科で研修している初期研修医や後期研修医も参加し腎臓内科学及び透析医学について学んでもらいました。

かなり充実した学会期間を過ごしてもらったように思います。

JKW-集合.jpg

今後も、活発は学会活動を継続しつつ、その成果を多くの患者さんたちに還元できるように頑張っていきたいと腎臓内科一同考えています。

今年はこの後も、様々な学会があるので、腎臓内科を学びたい研修医や学生はぜひ声をかけてください。

一緒に楽しく勉強しましょう!!

 

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