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2009.09.03【ニュース】
新型インフルエンザにご注意!!
みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
ついに新型インフルエンザが、本格的に流行の兆しをみせつつあり、患者さんたちの不安も高まっているのではないかと思います。
重症化しやすい人という一覧の中には、腎臓内科と関わりが多い
①腎機能障害患者
②糖尿病などの代謝性疾患
③慢性心疾患や慢性呼吸器疾患
④ステロイド内服などによる免疫機能抑制患者
といった記載があるため、腎臓病外来や透析外来をしていても "自分は大丈夫なのか?" といった相談を受けることが多くなってきました。
たしかに、腎不全で透析を受けているような方や、腎障害の原因が糖尿病であるような方や(糖尿病というだけで感染症には弱いと言われています)、腎以外の合併症をもっている方(心不全や喘息や慢性気管支炎など)や、腎疾患治療のためにステロイドを初めとした免疫抑制療法を施行している方は、健常人と比較すると症状が重くなることが多いようです。
こういった患者さんたちは、自分の体調の変化に細心の注意を払い、また感染しない努力(うがい、手洗い、周囲に感染者が出た場合はマスク着用)をすることが必要になると思います。
仮に感染してしまった場合でも、"もうだめだ"と悲観はしなくてよいと思います。
幸いなことに新型インフルエンザには抗インフルエンザ薬の効果が確認されており、まだ耐性ウイルスも拡大していないので、外国に比較し日本では入院率も致死率も低いようです。
死亡例の大半は、インフルエンザ感染⇒ウイルス性肺炎による急性呼吸不全⇒全身状態の悪化という道筋をたどります。早期発見と重症化する前の治療が重要になってきます。
もし、インフルエンザが疑われるような症状、特に38℃以上の高熱、咳、咽頭痛、鼻水、全身倦怠感、筋肉・関節痛が急に出現するような場合は、おかかりの医療機関や主治医にまず電話相談(保健所の発熱相談センターへの連絡は不要)してみてください。症状が強くなく緊急性のない場合は、混雑時の受診をさけ、それぞれの医療機関の指示に従ってください。
新型インフルエンザ感染が広がる前は、インフルエンザを封じ込めるということで保健所に連絡していただき、その後特定の医療機関で限定的に診察するという方策でしたが、感染拡大した今は、通常の季節性インフルエンザと同じようにそれぞれの医療機関で診療するというように対応も変化しつつあります。
近々、厚生労働省より新型インフルエンザワクチン接種のガイドラインも出る予定であり、ワクチン接種もできるようになります。今後、必要なワクチンを適宜接種することが望ましいと思われます。
インフルエンザ感染をコントロールするには、自分自身が感染しない努力、また他人に感染させない努力を一人一人が心がけることが重要と思います。
もし仮に感染してしまった場合は、感染拡大を防ぐため咳エチケット(咳・くしゃみがある方はマスクを着用、マスクがない場合はティッシュなどで口と鼻を押さえ他の人から顔をそむけて1m以上離れる、鼻汁や痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨てるなど)を心がけてください。
新型インフルエンザが判明した場合は、しばらくウイルスが残存しますので、発症後7日間は自宅療養が望ましいと思われます。また、薬局などへ薬を取りに行く際は、家族など患者さん以外が行うようにしてください。
また基礎疾患のコントロールも重要となります。規則正しい生活(食事管理や生活サイクルの管理)や十分な休息をこころがけ、体調変化がある場合は主治医の指示に素直に従ってください。
なかなか大変ですが、みんな一丸となってインフルエンザウイルスと戦いましょう。
皆様のご健康をお祈りしております。