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2009.11.02ニュース

新型インフルエンザワクチン・・・慢性腎疾患の場合!?

新型インフルエンザに関する情報が毎日報道されており、不安な思いをしている患者さんも多いのではないかと思います。

慢性腎疾患の患者さんではインフルエンザが重症化しやすい!! という報道もされているため、腎疾患を抱えた多くの患者さん達から、 "自分は新型インフルエンザワクチンを接種できるのか?" というお問い合わせを頂いています。

私達の気持ちとしては、ワクチン接種をご希望の患者さんには全員接種してあげたいところですが、残念ながら十分量のワクチンを確保出来ないのが現状であります。

多くのメディアで報道されているように、新型インフルエンザワクチンの接種においては、  より重症の患者さんを優先して接種する方針になっています。

患者さんの選別基準については、様々なご意見があると思いますが、つい先日、全国的に統一した選別基準が発表されました。

今回は、特に慢性腎疾患の場合の基準についてご説明します。

腎疾患関連の最優先対象基準は、次の①~⑥のいずれかに該当する場合となっています。

① 慢性維持透析患者・・・・・血液透析や腹膜透析で医療機関に通われている方は、優先対象でよいと思われます。

② 透析導入間近の慢性腎不全患者・・・・腎機能の指標となる推算糸球体濾過量(eGFR) が15 ml/min/1.73m2 未満の場合です。

おおよそ腎機能が健常者に比較して15%未満の状態と考えてもらえればよいと思います。

eGFRという数字は、血清クレアチニン、年齢、性別から計算されます。ご高齢の男性なら血清クレアチニン値で3.3mg/dl以上、ご高齢の女性なら2.5mg/dl以上で該当する可能性があります。正確な数値は主治医に確認してもらえればと思います。

③ 腎移植患者・・・・腎移植を受けていて、現在副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤などを内服している患者さんが該当します。

④ 腎臓病治療のために、副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤を内服している患者さんも、優先対象です。

⑤ 腎機能が高度に低下しているのに加えて(eGFRが30%未満)、免疫力が低下していたり、肺や心臓が悪い患者さん、も優先対象となります。

⑥ 糖尿病患者さんの場合は、インスリン治療を行っているような場合に優先対象になります。

総合すると、慢性腎臓疾患をもっていても、かなり腎機能が悪い患者さんや、免疫を抑制するような薬を使っている患者さんや、腎機能が悪く合併症の多い患者さんということになります。

かなり条件がきついように見えますが、現状では、これらを満たす優先接種対象の患者さんにも十分量のワクチンが行き渡らない状況です。

医療施設によっても差があるのかもしれませんが、信州大学附属病院では2009年11月2日現在、外来に通院する優先対象患者さんの接種予約もワクチンの確保ができずに延期している状況です。

他施設で接種を受けることが出来そうという場合には(現段階では、ワクチンが十分に確保出来ている病院の把握も出来ておりませんが・・・・・・)、優先対象患者であることの証明書を発行しますので、病院までお問い合わせ下さい。

ただし、この証明書があるからといって、他施設で必ず接種できるというものではありませんので、ご容赦下さい。

現段階では、基本的な予防策であるうがい、手洗いを十分に行って最大限の注意を払う必要があります。

皆さん、がんばってインフルエンザと戦っていきましょう!!

 

 

 

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